ホームページ制作・SEO(SEO対策)

ホームページ制作会社兼SEOエンジニアの視点から見た「コンテンツSEO」の本当の難しさ

Web制作会社として、そしてSEOエンジニアとして現場に関わっていると、「コンテンツSEO」という言葉がいかに曖昧に使われているかを痛感します。
記事を書けばSEOになる、情報を増やせば評価される。そうした理解が、今なお根強く残っています。

しかし現在の検索エンジンにおいて、コンテンツSEOとは単なるコンテンツ制作ではありません。
それは、情報設計・技術設計・評価設計・改善運用を含めた、極めて総合的な取り組みです。

制作会社に「コンテンツSEOをお願いしたい」という相談が来たとき、まず頭に浮かぶのは「どこまで理解されているか」という点です。
この前提が揃っていないと、どれだけ専門的な施策を講じても、成果には結びつきません。

コンテンツSEOは「文章の質」だけで評価されていない

SEOエンジニアの立場から明確に言えるのは、検索エンジンは文章の上手さだけでコンテンツを評価しているわけではない、という事実です。

現在の検索評価は、主に以下のような複合要素で判断されています。

まず前提となるのが、検索意図との一致度です。
これは単にキーワードが含まれているかどうかではなく、「その検索クエリに対して、最終的な疑問解消ができているか」という観点で評価されます。表層的な説明や、他サイトの焼き直しでは、ここで評価が伸びません。

次に、情報の網羅性と構造です。
単発の記事単位ではなく、サイト全体としてトピックをどのようにカバーしているか、関連情報が適切に内部リンクで結ばれているかといった点が見られています。
これはいわゆるトピッククラスターやサイトテーマ設計の話で、制作会社側の設計力が問われる部分です。

さらに、ユーザー行動データも無視できません。
滞在時間、直帰率、再検索の有無など、明示されてはいませんが、検索結果に戻るかどうかという挙動は、評価の間接指標として機能していると考えられます。

つまり、文章が正しいだけでは足りず、「検索結果の中で選ばれ、読まれ、完結する」必要があります。

ホームページ制作会社が最初にやるべきは「キーワード選定」ではない

多くの制作会社やクライアントが、コンテンツSEOを始める際に最初にやろうとするのがキーワード選定です。
しかし、SEOエンジニア視点では、これは半分正しく、半分間違っています。

正確には、いきなりキーワードを拾いにいくのではなく、「事業としてどの検索行動を取りに行くのか」を定義する必要があります。

たとえば、情報収集フェーズのユーザーを集めたいのか、比較検討フェーズを狙うのか、それとも今すぐ問い合わせにつながる顕在層を取りに行くのか。この判断が曖昧なままキーワードを並べると、サイト内に意図の異なる記事が混在し、評価が分散します。

制作会社としては、検索ボリュームの大きさよりも、「その検索クエリが事業とどう接続するのか」を重視して設計します。
ここを無視したコンテンツSEOは、アクセスは増えても成果が出ない典型例になります。

コンテンツSEOにおける「量産」の危険性

制作会社が最も神経を使うのが、「量産してください」という要望です。
確かに、一定量のコンテンツは必要です。しかし、無計画な量産は、SEOエンジニア視点では明確なリスクになります。

検索エンジンは、サイト全体の品質を評価します。
類似テーマの記事が乱立していたり、内容が薄い記事が多かったりすると、いわゆるサイト評価の希薄化が起こります。これは、個別の記事だけでなく、ドメイン全体の評価に影響します。

特に注意が必要なのが、検索意図が近い記事を複数作ってしまうケースです。
内部で評価が競合し、どの記事も上位に上がらない状態になります。制作会社側では、こうしたカニバリゼーションを避けるために、事前にコンテンツマップを設計します。

量よりも構造。
これは、SEOエンジニアとして一貫して強調したいポイントです。

内部リンクと情報設計は、SEOエンジニアリングの領域

コンテンツSEOというと、どうしても「記事単体」の話になりがちですが、実務では内部リンク設計が極めて重要です。

どの記事をハブにするのか、どの記事を詳細解説にするのか。
パンくずリスト、カテゴリ構造、URL設計。これらはすべて、クローラビリティと評価伝播に影響します。

制作会社が関与しないまま内製で記事を増やすと、この設計が崩れやすくなります。
結果として、検索エンジンがサイトのテーマを正しく理解できず、評価が伸びません。

SEOエンジニアの仕事は、単に順位を見ることではなく、「検索エンジンにどう理解されているか」を設計・調整することにあります。

AI時代のコンテンツSEOで、逆に重要になったもの

AIの登場により、文章生成のコストは劇的に下がりました。
SEOエンジニアとしても、下書き作成や構成整理にAIを活用することは珍しくありません。

しかし、その一方で、AI生成コンテンツが増えたことで、検索エンジン側は「誰が、なぜ、その情報を書いているのか」という文脈をより重視するようになっています。

専門性、経験、一次情報。
これらはAIが最も苦手とする領域です。

制作会社としてコンテンツSEOを設計する際には、どこに人間の知見を入れるのかを明確にします。
実体験、事例、業界固有の判断基準。こうした要素がないコンテンツは、今後ますます評価されにくくなるでしょう。

E-E-A-Tは「書き方」ではなく「運用」で決まる

E-E-A-Tという言葉は広く知られるようになりましたが、誤解も多い概念です。
肩書きを書けばいい、プロフィールを整えればいい、という話ではありません。

SEOエンジニア視点では、E-E-A-Tはサイト全体の一貫性と継続性によって形成されます。
誰が書き、どんなテーマを、どれくらいの深度で、どれだけ継続して発信しているのか。

制作会社が長期運用を前提に設計する理由はここにあります。
単発のSEO施策では、E-E-A-Tは構築できません。

ホームページ制作会社が本当に価値を出せる領域

正直に言えば、制作会社が一番価値を出せるのは「記事を書くこと」ではありません。
価値が出るのは、以下のような領域です。

検索意図の整理と優先順位付け
コンテンツ構造と内部リンク設計
評価データを元にした改善判断
作らないという選択の提案

これらは、制作会社がSEOエンジニアとして関与して初めて提供できる価値です。

コンテンツSEOは「任せ方」で成果が決まる

制作会社の立場から見ると、成果が出るクライアントには共通点があります。
それは、判断を完全に丸投げしていないことです。

制作会社は設計と実装を担えますが、事業の方向性を決めることはできません。
どの市場を狙うのか、どの層を捨てるのか。その判断を共有できて初めて、コンテンツSEOは機能します。

SEOエンジニアとして伝えたい結論

コンテンツSEOは、安価な集客手法でも、簡単な施策でもありません。
正しく設計すれば強力な資産になりますが、間違えれば修正に何年もかかる負債になります。

制作会社に任せるにしても、内製でやるにしても、AIを使うにしても、重要なのは「設計」と「判断」をどこが担うかです。

プロのSEOエンジニアとして言えるのは、
コンテンツSEOは、作業ではなく、意思決定の積み重ねだということです。

その前提に立てたとき、ようやく制作会社も、本来の意味でパートナーになれると感じています。

Googleの評価更新とコンテンツSEOを切り離して考えてはいけない理由

Googleの評価更新とコンテンツSEOを切り離して考えてはいけない理由

コンテンツSEOの話をすると、必ずと言っていいほど話題に上がるのがGoogleのコアアップデートです。
順位が落ちた、急にアクセスが減った、評価が変わった。そうした相談は、制作会社やSEOエンジニアのもとに定期的に持ち込まれます。

ここでまず整理しておくべきなのは、コアアップデートは「新しいルールが追加されたもの」ではないという点です。
多くの場合、Googleはこれまで評価しようとしていた要素を、より正確に評価できるように調整しているだけです。

つまり、アップデートで評価を落とすサイトは、突然ダメになったのではなく、以前から構造的な弱点を抱えていたケースがほとんどです。

制作会社やSEOエンジニアの立場から見ると、コアアップデートは「答え合わせ」に近いものです。
きちんと検索意図に向き合い、構造的に整理されたコンテンツを持つサイトは、アップデート後に評価を伸ばすことも珍しくありません。

コアアップデートで落ちるサイトに共通する構造的問題

実務的に見て、コアアップデートのたびに影響を受けやすいサイトには、いくつか明確な共通点があります。

ひとつは、コンテンツの目的が曖昧なサイトです。
情報提供なのか、比較なのか、購入・問い合わせを促したいのか。その意図がページごとに整理されていない場合、検索エンジンは評価軸を定めきれません。

もうひとつは、類似コンテンツが多すぎるサイトです。
これはコンテンツSEOを量産型で進めてきたサイトに多く見られます。検索意図がほぼ同じ記事が複数存在すると、どれを評価すべきか判断できず、結果として全体の評価が下がることがあります。

また、古い情報が放置されているケースも見逃せません。
情報の鮮度が求められるテーマにおいて、更新されていないコンテンツが多いと、サイト全体の信頼性に影響します。

コアアップデートは、こうした「積み重なった歪み」を一気に表面化させるタイミングだと捉えるべきです。

コンテンツSEOと技術SEOは表裏一体である

コンテンツSEOという言葉が先行しすぎた結果、技術SEOが軽視されるケースが増えています。
しかし、SEOエンジニアの視点では、コンテンツと技術は明確に切り離せるものではありません。

どれだけ良いコンテンツを作っても、
・インデックスされていない
・正しく評価されるURLに集約されていない
・クロールされにくい構造になっている
この状態では、検索結果に反映されません。

制作会社としてコンテンツSEOを設計する際には、必ず技術的な前提条件を確認します。
ここを無視したコンテンツ制作は、例えるなら、倉庫に商品を積み上げているのに、誰にも見つけてもらえない状態です。

インデックスは「されるかどうか」ではなく「どうされるか」

インデックスという言葉はよく知られていますが、実務では誤解されがちな概念です。
多くの人は「インデックスされているかどうか」だけを気にしますが、SEOエンジニアが見るのは「どういう文脈でインデックスされているか」です。

たとえば、
・canonicalが適切に設定されているか
・パラメータ付きURLが評価を分散させていないか
・重複ページが正規URLを侵食していないか

こうした点は、コンテンツSEOを長期で運用するほど重要になります。

特にブログ型のサイトでは、カテゴリ・タグ・アーカイブページが意図せずインデックスされ、評価を分散させているケースが非常に多いです。
制作会社としては、どのページを評価対象にするのかを明確にし、それ以外は適切に制御する設計を行います。

クロールバジェットは大規模サイトだけの話ではない

クロールバジェットというと、大規模サイトやECサイトの話だと思われがちです。
しかし、実際には中規模以下のサイトでも、クロール効率は無視できません。

コンテンツSEOを進めると、ページ数は確実に増えていきます。
このとき、重要でないページにクロールが割かれてしまうと、本来評価してほしいコンテンツの巡回頻度が下がります。

具体的には、
・検索結果に出す必要のない一覧ページ
・内容が薄いテスト記事
・役割を終えた過去コンテンツ

こうしたページがクロールを消費しているケースは少なくありません。

SEOエンジニアとしては、robots.txtやnoindex、内部リンク設計を通じて、「どこを優先的に見てほしいか」を検索エンジンに明確に伝えます。
これはコンテンツSEOの成果を安定させるための、非常に重要な土台です。

コンテンツを増やすほど「整理」が重要になる

コンテンツSEOを継続しているサイトほど、ある時点から「整理する作業」が成果を左右します。
新規記事を書くことよりも、既存記事の統合・削除・再設計の方が効果的な場面も多くあります。

コアアップデートで評価を落としたサイトを分析すると、「減らすべきコンテンツを減らせていない」ケースが目立ちます。
これは心理的にも難しい判断ですが、SEOエンジニア視点では避けて通れません。

制作会社が関与する場合、この判断を第三者として冷静に行える点は大きな価値になります。

技術SEOは「順位を上げる施策」ではなく「評価を安定させる施策」

技術SEOに即効性を期待する人もいますが、実務的にはそうではありません。
技術SEOの役割は、検索エンジンが正しく評価できる状態を作り、その評価を安定させることです。

コンテンツSEOで順位が上がったとしても、
インデックスが不安定
URL構造が破綻している
内部リンクが整理されていない

こうした状態では、コアアップデートのたびに大きな影響を受けます。

逆に言えば、技術的な土台が整っているサイトほど、アップデート耐性が高くなります。

SEOエンジニアとしての結論

Googleの評価更新やコアアップデートを恐れる必要はありません。
本当に恐れるべきなのは、
「評価されない構造のまま、コンテンツを積み上げてしまうこと」です。

コンテンツSEOは、
・戦略設計
・コンテンツ設計
・技術設計
・評価と改善

このすべてが噛み合って初めて機能します。

制作会社、SEOエンジニアとして現場に立っていると、成果が出るサイトほど「地味な整理と判断」を積み重ねています。
派手な施策よりも、検索エンジンに正しく理解される構造を作ること。
それこそが、長期的に評価され続けるコンテンツSEOの本質だと考えています。

事業を強くする「資産」としてのコンテンツSEO 経営者が知るべきリスクとリターン そして「本質」への回帰